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情報提供・無料法律相談|新型コロナウイルス感染症の影響を受ける企業の皆様へ

新型コロナウイルスの影響を受ける企業の皆様へ

(資金繰り対応や法務対応等に関する情報のご提供及び無料法律相談の実施)

1.厚生労働省の発表によれば,2020年3月14日18時時点で,新型コロナウイルス感染症の感染者数は,日本国内で777名(クルーズ船事例を含むと1449名)となり,日本国内での感染が拡大しています。

 広島県でも既に多くの企業に影響が及んでおり,宿泊業や観光業,飲食業で予約のキャンセルが多数発生しているほか,製造業や卸売業等では原材料や製品の調達ができないという状況も発生しています。

 これらに伴い,今後は,従業員に対する賃金支払等の労働問題や納期遅れ等を原因とする取引先との契約問題などが多発するおそれがあるでしょう。新型コロナウイルスの終息が遅くなれば,存続が危ぶまれる企業が出てくる可能性もあります(帝国データバンクによれば,3月11日13時時点で新型コロナウイルスの影響を受けた倒産(法的整理または事業停止)が全国に8件確認されているとのことです)。

 このような状況を踏まえ,千瑞穂法律事務所としては,本記事において,企業の皆様にとって有益と思われる情報を整理するとともに,新型コロナウイルスにまつわる基本的な労務問題に関する情報のご提供をさせていただきます。少しでもお役に立てば幸いです。

 また,企業の皆様に向けて,無料法律相談(初回限定)を実施いたします。人事労務問題,取引先とのトラブル,事業再建,金融支援や助成金等などについてお悩みがありましたら,次の連絡先まで,お電話又はメールにてご連絡ください。対面にての打合せのほか,電話相談やオンライン面談も積極的に受け付けております。

事務所名  千瑞穂法律事務所

所在地   広島市中区鉄砲町1-20 第3ウエノヤビル7階

TEL    082-962-0286(電話受付時間9:00~17:00 土日祝日休み)

E-MAIL   contact@law.sennomizuho.net(24時間受付)

2.企業にとって有益と思われる情報の整理

(1)【広島県】

(2)【広島市】

  • 事業者の皆様へ

 (業種ごとの注意点や小規模事業者持続化補助金に関する証明書の発行等)  ▶ 確認する

(3)【経済産業省】

(中小企業・小規模事業者の資金繰り対応等) 確認する

(4)【日本政策金融公庫】

(5)【厚生労働省】

(6)【経営法友会】

(7)【独立行政法人中小企業基盤整備機構】

3.新型コロナウイルスにまつわる基本的な労務問題

 以下では,新型コロナウイルスにまつわる基本的な労務問題をQ&A形式で解説します。ただし,個別の事情によっては異なる対応が必要となることがありますので,ご注意ください。

Q1 WHOが新型コロナウイルス感染症(COVID-19)について「パンデミック」と発表したが,業務を継続するうえで,従業員に対する感染防止対策を講ずる必要があるか。同業他社が特に対策を講じていなければ,対策を講じなくて良いか。

A1 従業員への安全配慮義務の一環として,新型コロナウイルス対策を定め,予防措置を講じておく必要がある。

 安全配慮義務としての新型コロナウイルス対策が定められておらず,業務遂行中に新型コロナウイルスに罹患した場合,従業員が休むことになった期間の賃金はもちろん,慰謝料等の支払いまで必要となる可能性がある。

 どのような対策を講じておけばよいかについては,業種や職種等に左右されるため,一概に論ずることは困難であるが,抽象的には「現時点で認識しうる科学的・医学的な知見」を基準として,それぞれの従業員が出来る限り罹患しないような対策が必要であろう。同業他社が対策を講じていないとしても免責の理由とはならない。

 なお,対策を講じている例としては,以下のサイトなどが参考となる。

 丸紅:https://www.marubeni.com/jp/news/2020/release/20200228J.pdf

 日立製作所:http://www.hitachi.co.jp/New/cnews/month/2020/02/0228d.html

 資生堂:https://corp.shiseido.com/jp/inquiry/news/detail.html?id=103

Q2-1 新型コロナウイルスに感染している従業員や感染が疑われる従業員について,出社を拒否できるか。拒否した場合,賃金や休業手当の支払いが必要か。

Q2-2 新型コロナウイルスに感染していること等を理由に出社が禁じられている従業員が「体調に問題はないので,在宅勤務させてもらいたい」と申し出た場合,これに応じてよいか。

A2-1 出社を拒否できる。賃金や休業手当の支払いも不要である場合が多い。

 前提として,企業において新型コロナウイルス対策が講じられていることが重要である。

 新型コロナウイルス対策を講じた上で,従業員が新型コロナウイルスに感染した場合や感染が疑われる場合,当該従業員への健康配慮義務や他の労働者への健康配慮義務の観点から,出社は拒否できる。ただし,従業員にはできれば診断書の提出を求め,それができない場合でも従業員から症状や医師の意見を聞き取った際の電話録取書等は確保しておくべきであろう。特に,新型コロナウイルスに感染していることが疑われるにすぎない従業員については,症状について具体的な聴取を行うことや場合によっては産業医への意見聴取を行うことも検討すべきである。

 次に,出社拒否した際に,賃金や休業手当の支払いが必要かを検討する。この点,民法 536条は「当事者双方の責めに帰することができない事由によって債務を履行することができなくなったときは、債権者は、反対給付の履行を拒むことができる。」(1項),「債権者の責めに帰すべき事由によって債務を履行することができなくなったときは、債務者は、反対給付を受ける権利を失わない。」(2項)と定めている。また,労働基準法26条は休業手当について,「使用者の責に帰すべき事由による休業の場合においては,使用者は,休業期間中当該労働者に,その平均賃金の百分の六十以上の手当を支払わなければならない。」と定めている。そこで,新型コロナウイルス対策が講じられ,具体的な症状の聴取や産業医への意見聴取等が行われている場合には,「使用者の責に帰すべき事由」はないものとして,賃金や休業手当の支払いも不要である場合が多いだろう。ただし,労働基準法26条の「使用者の責に帰すべき事由」は,労働者の最低生活を保障すべき必要性が考慮され,民法536条のそれよりも広いと解釈されているため,賃金全額の支払いは不要だが,休業手当(賃金の60%)の支払いが必要な場合はありうると思われる。

 なお,従業員が何らの支払いも受けられない場合,生活に困窮することも考えられる。そこで,雇用調整助成金制度(詳細は▶ こちら)等を活用することも検討すべきである。

A2-2 発熱等が認められる従業員の在宅勤務を認めることにはリスクがある。

 企業には,従業員の健康障害を防止する義務があるところ,在宅勤務によって,症状が悪化するなどした場合,安全配慮義務に違反したと判断される可能性がある。したがって,発熱等が認められる従業員については療養に専念していただくべきと考える。

Q3 新型コロナウイルスに罹患した者と同居している従業員や新型コロナウイルスに罹患した者と濃厚接触した従業員について,出社を拒否できるか。拒否した場合,賃金や休業手当の支払いが必要か。

A3 出社は拒否しうる。賃金や休業手当の支払いは必要となる可能性がある。

 他の労働者への健康配慮義務の観点から,新型コロナウイルスに罹患した者と同居している従業員や新型コロナウイルスに罹患した者と濃厚接触した従業員について,出社は拒否できると考える。ただし,本人が感染等している訳ではないため,新型コロナウイルスに罹患した家族の状況や濃厚接触した際の状況についてはできる限り詳細な聴取を行っておくべきであろう。かかる聴取にはプライバシーの問題も存在するが,感染防止という必要性から一定の聴取が許されると考える。

 続いて,賃金や休業手当の支払いが必要か否かについては,出社禁止が「債権者の責めに帰すべき事由」に該当するかに左右されることになる。この点については,企業の業種,規模,業務内容,在宅勤務等の可能性,政府・自治体からの業務自粛要請の有無・程度,感染症の蔓延状況等の具体的事情によって,「債権者の責めに帰すべき事由」の有無が判断されることになろう。もっとも,従業員自身は勤務できる状況にあることから,「債権者の責めに帰すべき事由」がないというためのハードルは高いと思われる。また,賃金支払いは不要でも休業手当の支払いは必要な場合がありうることはA2-1と同様である。

Q4 新型コロナウイルスの影響で受注が減ったため,従業員に自宅待機を命じたが,賃金や休業手当の支払いは必要か。

A4 賃金や休業手当の支払いは必要となる可能性がある。

 基本的にはA3と同様である。企業の業種,規模,業務内容,在宅勤務等の可能性,政府・自治体からの業務自粛要請の有無・程度,感染症の蔓延状況等の具体的事情によって,「債権者の責めに帰すべき事由」があると認められる場合,休業手当や賃金の支払いが必要となる。なお,受注が減ったことに対する休業については,代替手段の有無・内容,休業の期間,休業回避のために企業としてどのような努力を行ったのかといった事情も重要な考慮要素となる。

Q5 出社禁止を命ずる際に,従業員に有給休暇の取得を強制することはできるか。

A5 強制することはできない。

 有給休暇の取得は,原則として労働者の自由な意思に基づいて取得できるものであり,企業(使用者)がその取得を強制することはできない。もっとも,賃金や休業手当を支払わなくてもよい場合に,従業員に有給休暇を取得できる旨情報提供することは許される。

Q6 感染リスクがあることを理由に出社していない従業員に対し,出社を命ずることができるか。また,出社命令にも関わらず出社しない従業員を解雇できるか。

A6 十分な新型コロナウイルス対策が講じられ,感染リスクが少ないといえる環境であれば,出社を命ずることはできる。ただし,解雇には慎重な検討が必要である。

 労働の提供は,労働契約の中核であることから,企業は労働者に出社を命ずることができるのが原則である。もっとも,WHOが新型コロナウイルス感染症について「パンデミック」と発表した現時点では,従業員が感染を懸念することにも合理的な理由があるといえる。そこで,企業としては,十分な新型コロナウイルス対策を講じ,感染リスクが少ない環境を提供する必要があろう。かかる対策が講じられて初めて,出社を命ずることができると考える。

 もっとも,出社命令に応じない従業員について,普通解雇や懲戒解雇を行うことについては慎重な検討が必要である。すなわち,労働契約法16条は,「解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする」と定めるところ,新型コロナウイルス感染症の広がり方やその対策次第では,出社しないことに一定の理由があると判断される可能性があるため,解雇は慎重に検討すべきである。解雇を行う場合,事前に弁護士に相談されることをお勧めする。

Q7 新型コロナウイルスの影響で,予約や発注のキャンセルが多発し,事業の存続が危ぶまれている。従業員を解雇することも選択肢に入れざるをえないが,何に注意すべきか。

A7 ①人員削減の必要性があるか,②企業が解雇回避努力を尽くしたか,③被解雇者の人選は合理的か,④解雇に至る手続は妥当かに注意すべきである。

 企業が経営上必要とされる人員削減のために行う解雇のことを整理解雇という。整理解雇がどのような場合に有効となるかについては,多くの裁判例が蓄積した結果,①人員削減の必要性があるか,②企業が解雇回避努力を尽くしたか,③被解雇者の人選は合理的か,④解雇に至る手続は妥当か,という4つの基準によって判断されている。

 そして,「新型コロナウイルスの影響で予約や発注のキャンセルが多発している」ということであれば,客観資料を残す必要はあるが,①は大きな問題とはならないであろう。そこで,②新規採用の停止・縮小,役員報酬の削減,昇給停止,賞与減額・停止,広告費・交通費・交際費等の経費削減といった解雇回避努力を行ったか,③勤務実績(欠勤・遅刻・早退の回数,注意指導されたことの有無,処分歴等)や企業への貢献度(過去の営業成績等,業務に有益な資格の有無,勤続年数,休職日数等),契約形態(正社員,期間雇用社員,短時間労働者等),労働者側の事情(扶養家族の有無,年齢等)等から,被解雇者を合理的に選定したか,④従業員に,人員整理が必要と判斷した事情や整理する人員数,解雇回避努力の内容,被解雇者の選定基準などを丁寧に説明したかなどに注意して対応すべきである。

 以上が,新型コロナウイルスにまつわる基本的な労務問題です。もっとも,この他にも新型コロナウイルスにまつわる労務問題は多数存在しますし,「各国の入国制限のため原材料が入手できず納期に間に合わないが,賠償責任はあるか」,「新型コロナウイルスを理由に,団体客のキャンセルがあった。キャンセル料を支払ってもらえるか」,「イベントが中止になったが,準備にかかった費用はだれが負担すべきか」といった様々な法律問題が発生することが想定されます。具体的な問題についてお悩みの企業様は当事務所までご相談ください。皆様とともに今回の困難を乗り越えたいと思います。

令和2年3月17日

千瑞穂法律事務所 代表弁護士 守永将大,加藤健一郎

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