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相続法の改正|特別寄与制度について

 

Q. 痴呆症の父を介護した妻の貢献は、 遺産分割において考慮してもらえるか?

 

 

 先日、同居していた私の父が亡くなりました。

 

 父は晩年には認知症を患っていて介護が大変だったのですが、その負担を全て私の妻が担ってくれました。父の葬儀が終わった後、もう一人の相続人である妹と話していたら、妹から「遺産分割は公平に2分の1ずつにしよう」と言われました。

 

 しかし、私の妻が大変な苦労をして父の介護をしたことが全く考慮されないのでは、むしろ不公平です。どうにかならないでしょうか?

 

 

A. 「特別の寄与の制度」が新設され

    2019年7月1日以降発生の相続から適用!

 

 

 たとえば長男の妻が親の介護をしたのに、遺産分割の際にそれが一切考慮されず、単純に法定相続分で分割するというのは不当だ!という相続紛争は多くありました。長男は相続人なのですが、長男の妻は相続人ではありません。したがって、長男の妻が直接、法的な請求をすることは、従来はできませんでした。

 

 このような場合には、遺産分割協議の話し合いの中で、長男が相続する分を増やすことで調整をしたりしていました。もっとも、あくまでも相続人同士での話し合いによって合意できればの話なので、他の相続人が同意しなければ実現しなかったのです。

 

 これに対して、今回の改正民法・相続法に「特別の寄与の制度」が設けられました。

 

◆請求できる人=特別寄与者

 被相続人の親族であれば、相続人でなくて も特別寄与者として請求することができます。ですから「長男の妻」も請求可能です。

 

◆請求される人

 請求されるのは相続人です。特別寄与者の寄与に応じた額に法定相続分を乗じた金額を負担することになります。 注意すべきなのは、「長男の妻」が請求する立場にある場合、請求する相手としては自分の夫である長男も、含まれるという点です。つまり、夫も相続分に応じて特別寄与料の負担があるのです。もっとも各相続人に請求をするか否かは自由なので、自分の夫に対しては、通常は請求しないと思われます。

 

◆「特別の寄与」とは?

 「被相続人に対して無償で療養看護その他の労務の提供をしたことにより被相続人の財産の維持又は増加について特別の寄与をした」ことと定められています。 注意すべき点は〈無償で〉という点です。看護に対する報酬を受け取っていた場合には、特別寄与料の請求はできなくなります。 もう1つ注意すべき点は〈特別の寄与〉として認められる範囲はどこまでか?です。この点は実際の運用を通じて明確になってくる部分ですので、今の時点では明確には言えません。ただ、いずれにしても、介護の状況や内容を具体的に記した日誌であるとか、介護に要した費用の領収書などの裏付け資料をしっかりと準備しておかないと、特別寄与料を裁判所に認めてもらえない恐れがありますので注意してください。

 

◆請求の方法

 まず当事者間で協議しますが、協議が調わないときには、家庭裁判所に対して協議に代わる処分を請求することができます。注意すべきなのは期間制限で、「相続の開始及び相続人を知った時から6ヶ月」又は「相続開始の時から1年」を経過した場合、裁判所に対する請求をすることができなくなります。

 

 

※記事の内容は、作成当時の法令・判例等に基づいた内容です。最新法令・判例等のご確認をお願いいたします。

 

 ◆その他「遺言・相続・家族信託」に関する弁護士コラムは こちら

 

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