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働き方改革シリーズコラム(第2回)

 

1.はじめに

 

 今回のシリーズコラムでは,企業に特に影響が大きい働き方改革関連法の改正点を解説するとともに,対応ポイントをご説明します。第2回は年次有給休暇の義務取得,勤務間インターバル制度についてです。

 

 

2.年次有給休暇を取得させる義務の創設

 

(1)改正の内容

 

 今回の改正では,年次有給休暇(以下,「年休」といいます)に関しても改正がなされました。改正労基法は,年休の日数が10日以上の労働者に対しては,その年休のうち5日については,原則として基準日から1年以内に労働者ごとに時季を定めて与えなければならないとしました(改正労基法39条7項)。本規定の違反には罰則が科されます(改正労基法120条)。

 

 ただし,労働者から時季を指定されて年休を与えた場合やいわゆる計画的付与によって年休が与えられた場合,その日数分については時季を定めて年休を与える必要はありません(同法39条8項)。

 

 また,前記規定に基づき,使用者が年休の時季を指定する場合,あらかじめ,前記規定により年休を与えることを労働者に明らかにした上で,その時季について労働者の意見を聴かなければならず,その意見を使用者は尊重するよう努めなければならないとされていることにも注意が必要です(改正労基法施行規則24条の6)。

 

 さらに,使用者は,年休の管理簿を作成し,年休を与えた期間中及び当該期間の満了後3年間保存しなければならないとされています(同規則24条の7)。

 

(2)対応ポイント

 

 企業の対応方法の一つは,改正労基法39条7項のとおりに時季を指定して5日の年休を与えることが考えられます。この場合には,労働者の意見を聴くことが義務付けられているため,年度の早い段階で,労働者に年休希望日を確認する文書の提出を求めるなどしたうえ,他の労働者の希望や事業の都合を考慮して具体的な日を指定することになるでしょう。

 

 もう一つは,年休の計画的付与の利用です(労基法39条6項)。計画的付与の場合,労使協定による付与が可能であり,個別の意見聴取は不要になるというメリットがあります。ただし,労働者が自由に年休を取得できているような企業では,計画的付与の実施により自由に年休を取得できる範囲が狭まる可能性があるため,慎重な対応が必要でしょう。

 

 

図1 年次有給休暇の義務取得

 

 

3.勤務間インターバル制度

 

(1)改正の内容

 

  勤務間インターバル制度とは,ある勤務日の勤務終了時間から翌日の勤務開始時間までの間に一定時間以上の時間を確保することで,労働者のプライベートな時間や睡眠時間等の休息時間を確保しようとする制度のことです。

 

  今回の改正では,事業主は健康及び福祉を確保するために必要な終業から始業までの時間の設定その他の必要な措置を講ずるように努めなければならないと定められました(改正労働時間等の設定の改善に関する特別措置法2条1項)。

 

(2)対応ポイント

 

 勤務間インターバル制度は現時点では努力義務にすぎません。そのため,至急の対応は必要ないといえるでしょう。もっとも,各労働者にどの程度の勤務間インターバルがあるのかを把握しておくことは,生産性向上等の観点からも有用と思われます。なお,将来的には上記制度が義務化される可能性もあると思われます。

 

 

4.最後に

 

 当事務所では,働き方改革関連法の施行にあたって,年次有給休暇の与え方や労働時間管理の方法,就業規則等のチェック,同一労働同一賃金対応などについて具体的なサポートを行っております。ご不明な点やご心配事がありましたら,お気軽にご相談ください。

 

 

 

※ 今回のコラムについては,厚生労働省HP(https://www.mhlw.go.jp)の「働き方改革の実現に向けて」を参考にしております。

また,コラムの内容は,執筆当時の法令・指針等に基づいた内容となっております。

 

 ◆働き方改革シリーズコラム第3回は → こちら

 ◆その他「労働問題(使用者側)」に関する弁護士コラムは → こちら

 

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