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親が認知症になった場合、実家を売却できるか?

 

Q. 親が認知症になり介護費用の工面が必要。

     実家を売却して費用を工面するのは可能か?

 

 私(Aさん)の両親は、父が78歳、母が75歳です。母が認知症になってしまい、父が自宅で介護をしていましたが、介護疲れで父も体調が悪くなり、自宅での生活が難しくなってきました。

 

 そこで、両親には施設に入ってもらおうと思っているのですが、それだと費用が毎月かなりかかります。そこで実家を売却して費用を工面したいと思っているのですが、何か問題があるでしょうか?

 

 

A. 認知症の方が実家の権利を持っている場合は売却困難。

         家族信託での事前対策が有効!

 

 まず、Aさんのご実家の土地・建物の所有名義が誰になっているのかを確認する必要があります。土地・建物ともにお父様の単独所有名義であれば、お父様の意思のみでご自宅を売却することも可能です。ところが、実家の土地・建物をご両親のご夫婦が共有しているケースがよくあります。この場合、共有者全員の意思に基づかなければ売買をすることはできません。

 

 今回のAさんのケースでは、お母様が認知症になっているという点がネックになります。というのも、認知症になっている方の場合、その程度にもよりますが、一般的には売買契約などを有効に成立させるための前提条件となる「意思能力」がないとされる可能性が高く、売買契約などの法律行為をすることができないからです。

 

 そこで考えられる対処方法は、家庭裁判所に申し立てて、Aさんがお母様の後見人になることです。そうすればAさんはお母様に代わって、お母様のために売買等の法律行為をすることができるようになります。

 

 もっとも、今回のように居住している家を売却するようなケースでは、家庭裁判所からの許可を得る必要があります。そして、居宅を売ることは、被後見人の生活拠点がなくなり生活が不安定になる恐れがあることから、家庭裁判所の判断は慎重にならざるを得ず、売買が許可されない場合もあります。すでにお母様が認知症になってしまっているAさんのケースでは家庭裁判所を説得するしかありませんが、このような不都合を事前に回避するために、ご両親が認知症になる前に、民事信託(家族信託)を利用しておくという事前対策の方法があります。

 

 たとえば、実家の土地・建物を共有しているご両親を委託者、そして長男を受託者として信託契約を締結し、実家の土地・建物の法的な管理を長男に委ねるというやり方です。こうしておけば、ご両親のいずれか、もしくは二人ともが認知症になってしまった場合でも、受託者である長男が単独で、実家の土地・建物を売却することができます。

 

 民事信託(家族信託)は様々な活用方法がある便利な制度ですので、ご興味・ご関心がある方は、ぜひ当事務所へご相談下さい。

 

 

 

※記事の内容は、作成当時の法令・判例等に基づいた内容です。最新法令・判例等のご確認をお願いいたします。

 

 ◆その他「遺言・相続・家族信託」に関する弁護士コラムは こちら

 

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