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土地売買で実測面積が少なかった場合のトラブル

Q. 土地売買で実測面積が少なかった。契約解除や損害賠償請求は可能か?

 

 

 私は家を新築するつもりで登記簿上70㎡と記載されている土地を、売主Yさんと売買契約を締結して購入しました。ところが実際に測量してみたところ、63㎡しかなく、予定していた大きさの建物を建てられないことが判明しました。売買契約を解除するか、少なくとも代金の減額か、損害賠償の請求をしたいですが、可能でしょうか?

 

 

A. 「数量指示売買」と認められないと、契約解除も損害賠償請求もできない。

 

 土地の面積については、登記簿上の面積と実際の面積とが異なるというケースが少なくありません。そこで、土地の取引においては、民法565条に定める「数量指示売買」でない限り、契約の解除や損害賠償請求などはできないことになっています。

 

 「数量指示売買」とは「当事者において目的物の実際に有する数量を確保するため、その一定の面積、容積、重量、員数又は尺度あることを売主が契約において表示し、かつ、この数量を基礎として代金額が定められた売買をいう」(最高裁昭和43年8月20日)とされています。

 

 土地売買契約が「数量指示売買」といえるためには、契約書において、面積の表示と、単位面積(1㎡あるいは1坪など)あたりの代金額が明記され、これを基準にして売買代金が算出されている必要があります。

 

 もし「数量指示売買」といえるのであれば、契約書に記載された面積よりも実測面積が少ない場合には、①代金減額、②契約解除、③損害賠償請求が認められます。

 

 土地売買の実際では、契約書に、登記簿上の面積と実測面積が異なっても代金の増減額はしない等の特約が記載されている場合が多いので注意が必要です。

 

 今回の例示事案と類似する裁判例(東京地裁平成24年4月18日)においても、契約書上、前記特約と同じ趣旨の条文が記載されており、更に特約条項で「本契約物件は現状有姿の公簿取引とする」との記載がなされていました。そこで裁判所は「数量指示売買」にはあたらないとして、損害賠償請求を認めませんでした。

 

 今回の例示事案でも、Yさんとの土地売買契約が単位面積(1㎡あるいは1坪など)あたりの代金額が明記され、これを基準にして売買代金が算出されているのであれば「数量指示売買」にあたりますので、契約解除や代金減額、損害賠償請求が可能です。

 

 しかし、そのような記載がない場合や、逆に、むしろ特約等で公簿面積と実測面積が異なる場合でも代金の増減額をしない旨が明記されているような場合は「数量指示売買」とはいえないため、残念ながら契約解除や代金減額、損害賠償請求は認められません。

 

※記事の内容は、作成当時の法令・判例等に基づいた内容です。最新法令・判例等のご確認をお願いいたします。

 

 ◆その他「不動産(事業者側)」に関する弁護士コラムは → こちら

 

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