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「要配慮個人情報」の定義と取扱

Q. 改正個人情報保護法で新たに規定された「要配慮個人情報」の定義と取扱について。

 

 私は、飲食店を経営しています。当社では、定期的に社員に対してアンケートを行って、これまでに罹患したことのある病気や通院歴を確認するようにしています。 この度、個人情報保護法の改正によって、要配慮個人情報制度が導入されていると聞きました。病歴は、要配慮個人情報に該当するのでしょうか。また、その場合、どのような点に留意しなければならなくなったのでしょうか。

 

 

A. 要配慮個人情報を取得する際には本人の同意が必要。また、オプトアウト方式による第三者提供ができない

 

 要配慮個人情報とは、「本人の人種、信条、社会的身分、病歴、犯罪の経歴、犯罪により害を被った事実その他本人に対する不当な差別、偏見その他の不利益が生じないようにその取扱いに特に配慮を要するものとして政令で定める記述が含まれる個人情報」のことを言います(改正個人情報保護法(以下、「法」という。)2条3項)。

 

 これまで、個人情報保護法では、個人情報の取り扱いに関しては一律に同じルールを定めていました。しかし、改正個人情報保護法においては、情報の内容や性質によっては、取り扱いに慎重な配慮を求めないと不当な差別や偏見につながりかねない個人情報を要配慮個人情報として定義し、一般の個人情報以上に取り扱いに注意するため特別なルールを定めています。

 

 なお、病歴は、病気にかかった経歴を意味し、がんに罹患しているというような特定の病歴を示した部分が該当しますので、相談者の会社におけるアンケートで特定の病歴について取得するのであれば要配慮個人情報の規制に服することになります。

 

 まず、要配慮個人情報を取得する際には、原則として、本人の同意が必要となります(法17条2項)。これにより、例えば会社が社員のインターネット上の書込みをもとに、社員の信条や犯罪歴等に関する情報を取得して保有することはできません。

 

 次に、オプトアウト方式による要配慮個人情報を含む個人データの第三者提供ができません(法23条2項)。オプトアウト方式とは、本人の同意をとっていなくても、あらかじめ「個人情報が第三者に提供されるのを望まなければ、提供の停止を望めばいつでも中止します」といった所定の事項を本人に通知するか、本人が容易に知りえる状態にしておけば、本人がこれに反対しない限り、同意したものとみなし、第三者提供を認めるとするものですが、要配慮個人情報の第三者提供の際には、認められません。したがって、例えば、休職中の社員から医師の診断書が提出されてその内容について、社外の産業医に相談する場合、第三者提供に該当するため、本人の同意を得て実施しなければなりません。

 

※記事の内容は、作成当時の法令・判例等に基づいた内容です。最新法令・判例等のご確認をお願いいたします。

 

 ◆その他「個人情報保護法」に関する弁護士コラムは → こちら

 

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