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取締役の報酬について

Q. 代表者の一存で取締役の報酬の減額をすることができるのか? 

 

 私の父は,代表取締役社長として会社経営をしておりましたが,10年近く前に亡くなりました。その後,親族でない者の役員が代表取締役社長に就任しました。母は,父の生前から取締役の一人に就任しており,父の死亡後も取締役として,毎月20万円の報酬をもらっていました。

 

 しかしながら,先日,代表者から母の報酬を15万円に減額すると告げられました。他の役員に確認したところ,株主総会や取締役会では,母の報酬に関する議事は行っていないとのことでした。このように代表者の一存で取締役の報酬を変更することができるのでしょうか。


A. 取締役の報酬は株主総会の決議によって定められ,代表者の一存では変更できない。

 

 契取締役の報酬は,定款の規定または株主総会決議によって決めなければなりません(会社法361条1項)。本来,取締役の報酬の決定も業務執行の性質を有するものであり、取締役会あるいは代表取締役が決定できるはずであるが、取締役会で決められることとなると、自分たちの報酬を不必要に高額としたりする、いわゆるお手盛りの弊害が生じることから、これを防止するために定款または株主総会決議で決めることとされています。

 

 したがって、取締役の報酬を代表取締役の一存で決めることはできず、株主総会の決議によらず決められた取締役の報酬額は、無効であり、不当に減額された分については会社に請求することができます。

 

 また、仮に、株主総会の決議によってお母さまの取締役としての報酬額が無報酬とされたとしても、従前、会社において、定款または株主総会の決議(株主総会において取締役報酬の総額を定め、取締役会において各取締役に対する配分を決議した場合も含む。)によって取締役の報酬額が具体的に定められていた場合、その報酬額は、会社と当該取締役との間の契約内容となり、契約当事者である会社と取締役の双方を拘束することから、その後、株主総会が当該取締役の報酬につき無報酬とする旨の決議をしたとしても、当該取締役は、これに同意しない限り、報酬請求権を失うものではありません(最判平成4年12月18日)。

 

 したがって、この場合でも、取締役の報酬を請求することができます。

 

 なお、会社法361条1項の規制に服する「報酬」とは、名称の如何を問わず、取締役の業務執行の対価たるものをいいます。それは、金銭に限られず、また、「賞与その他の職務執行の対価として株式会社から受ける財産上の利益も「報酬等」として、同様の規制に服することになります。

 

※記事の内容は、掲載当時の法令・情報に基づいているため、最新法令・情報のご確認をお願いいたします。

 

 ◆その他「取締役」に関する弁護士コラムは → こちら

 

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