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降格処分

Q. 降格処分に伴い賃金の減額をすることはできるか?  

 

 この度,ある社員について,職位についての降格処分を行い,それに伴い基本給を減額することとしました。しかし,就業規則上には職位を降格した場合に賃金の減額ができる旨の定めはありません。本件の降格処分と賃金減額は適法なのでしょうか?
 

 


A. 原則としては就業規則等に基づく明確な根拠が必要である。

 

 降格には,職位(役職)を引き下げるものと,職能資格制度上の資格(職務遂行能力に基づく格付けを意味し,これに従って基本給が決定されるもの)を低下させるものとがあります。また,その根拠についても,人事権に基づくものと,懲戒処分に基づくものとがあります。

 

 人事権に基づく降格は,職種を限定した雇用契約である,人事権の濫用にあたる等の事情がない限り,就業規則に定められていなくても適法に行い得ると解されています。懲戒処分に基づく降格は,懲戒処分を行うための契約上の根拠があり,懲戒処分の原因となった労働者の行為と懲戒処分の内容を比較して懲戒処分が社会的通念上相当である場合に適法と判断されることになります。

 

 ご質問は,このような前提をクリアした上で,降格処分に伴って就業規則の根拠がなくても賃金減額を行うことが適法であるかというものだと思います。

 

 この点については争いがありますが,基本的には就業規則の定めがないのに賃金減額を行うことは違法と判断される可能性が高いと考えます。裁判例(東京地決平成8年12月11日)においても,資格制度上の降格を行うには,就業規則等に明確な根拠が必要とされると判示されています。もっとも,管理職のみに支給される管理職手当など,職位と賃金の連動が明らかである場合には,就業規則等の根拠がなくても賃金減額は適法であるとの見解もあります。

 

 本件では,就業規則の根拠はないとのことですが,職位の降格に連動して賃金も減額される関係にあるといえれば,降格処分に伴う賃金減額も適法となる余地があると考えます。

 

 ◆その他「労働問題(使用者側)」に関する弁護士コラムは → こちら

 

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