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退職勧奨時の注意点及び解雇予告手当の支払い義務

Q. 退職勧奨時の注意点を知りたい。  

 

 わが社では,今の時期人手が足りなくなることもあり,簡単な作業をしてもらうためにパートを採用しました(3か月間の期間契約)。ところが,この方がいつまで経っても作業の手順すら覚えられず非常に困っています。そこで,退職を勧めようと思うのですが,注意すべき点はあるでしょうか。また,退職に応じてもらえなかった場合,解雇することも考えています。その場合,1か月分の解雇予告手当を支払う必要があるでしょうか?


A. 労働者の自由意思を侵害する退職勧奨は違法となる。

 

 使用者が労働者に対して辞職や労働契約の合意解約の承諾を促すことを,退職勧奨といいます。そして,退職勧奨は,労働者の自由意思を侵害するような手段・態様で行われた場合には,労働者の人格権を侵害するものとして違法となります。具体的には,面談の頻度や時間の長さ,発言内容などが総合考慮され,社会通念上許容できる範囲を超えるか否かで判断されます(大阪高判平成13年3月14日参照)。そこで,本件でも,面談の回数は控えめにし,時間も15分程度に止めておくべきでしょう。また,パートの方から,退職勧奨に応じないと明確に意思表示された場合には,その後は退職勧奨を継続すべきではありません。

 

 続いて,解雇予告手当についてですが,労働基準法20条1項は,「使用者は、労働者を解雇しようとする場合においては、少くとも三十日前にその予告をしなければならない。三十日前に予告をしない使用者は、三十日分以上の平均賃金を支払わなければならない。」と定めています。もっとも,同法は,その21条において,「季節的業務に四箇月以内の期間を定めて使用される者」や「試の使用期間中の者」などの場合,同法20条を適用しないと定めています。本件の事情が詳しくはわかりませんが,「今の時期人手が足りなくなることもあり,3か月間の期間契約を締結した」という事情からすれば,解雇予告手当を支払う必要はない可能性があります。

 

 なお,普通解雇においては,①解雇事由が労働契約の継続を期待し難いほど重大なものか,②求められる能力・資質との乖離の程度はどれくらいか,③能力向上の可能性があるか,④指導・教育をどの程度行っていたか,⑤解雇以外に手段がないといえるか,⑥解雇にあたって本人の意見をどの程度聞いたかなどを検討する必要がありますので,こうした点にもご注意いただければと思います。

 

※記事の内容は、掲載当時の法令・情報に基づいているため、最新法令・情報のご確認をお願いいたします。

 

 ◆その他「労働問題(使用者側)」に関する弁護士コラムは → こちら

 

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