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経歴詐称の解雇

Q. 経歴詐称された場合に解雇ができるか?  

 

 私は造園業を経営しています。この度,2年間造園業の会社で働いていたという中途採用の社員を採用したのですが,実際現場に出ると全く専門知識がなく,ほとんど新人の状態でした。このような場合に解雇ができるのでしょうか。なお,この社員は交通事故を起こし,現在仕事を休んでいます。


A. 就業規則に定めがあれば,解雇が有効となる可能性がある。

 

 「解雇できるか」というご相談ですが,一口に解雇といっても様々な種類が存在します。本件では,経歴詐称を理由とする懲戒解雇と能力不足を理由とする普通解雇が考えられるため,それぞれ簡単にご説明します。
 

 まず経歴詐称を理由とする懲戒解雇についてですが,中途採用の場合,企業は当該労働者の職歴や能力を重視して採用を決めることが多いため,労働者がこれらを詐称した場合,懲戒解雇を有効とした裁判例があります(東京地判平成16年12月17日,東京地判平成27年6月2日)。そこで,本件でも,有効に懲戒解雇できる可能性があります。もっとも,懲戒解雇を行うためには,経歴詐称などが懲戒事由になることを定めた就業規則の存在が前提となりますので,ご注意ください。
 

 次に,能力不足を理由とする普通解雇については,能力不足の内容,程度(雇用の継続が会社に及ぼす影響の程度,労働契約において求められた能力・資質との乖離の程度),労働者の能力向上の可能性,使用者が期待可能な解雇回避措置をとったか,解雇の動機が不当でないか,本人とどの程度話し合いをしたかなどが総合的に考慮されます。そこで,本件でもこれらの事情を確認する必要がありますが,一般的にはなかなか難しいところがあります。


 なお,「この社員は交通事故を起こし,現在仕事を休んでいます」ということですが,労働基準法19条は,「労働者が業務上負傷し、又は疾病にかかり療養のために休業する期間及びその後三十日間は、解雇してはならない」と定めています。そこで,上記交通事故が業務上のものであれば,一定期間解雇はできないと思われるため,この点もご注意いただきたいと思います。

 

※記事の内容は、掲載当時の法令・情報に基づいているため、最新法令・情報のご確認をお願いいたします。

 

 ◆その他「労働問題(使用者側)」に関する弁護士コラムは → こちら

 

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