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退職勧奨

Q. 退職勧奨をして退職した元従業員から職場復帰を求められてしまった。どう対応すれば良いか?  

 

  会社を経営しています。ある従業員の業務実績が会社の目標に届かず,数回指導を行っても改善されなかったので,退職勧奨を行いました。その時は,従業員も「辞めます」と言いましたが,その後,職場復帰を求めてきています。職場復帰を認めなければならないのでしょうか。

 


A. 退職勧奨が実質的な解雇に該当するかどうかにより判断は異なる。

 

 退職勧奨とは,使用者が労働者に対して,自発的に退職するよう勧奨することをいいます。退職勧奨を受けた労働者は退職に応じるかどうかを自由に判断できるので,労働者が「辞めます」と言ったのであれば職場復帰を認める必要はないように思われます。しかし,本当に労働者が任意に退職の意思表示を行ったかどうかの判断は難しく,「退職勧奨は実質的には解雇の意思表示であった」,「退職を強要された」などと,後々争いになるケースが少なくありません。

 

 職場復帰を認めるべきかどうかは,退職勧奨が①任意での退職を勧めるものであるのか,②実質的な解雇の意思表示(もしくは退職強要)であったのかどうかに大きく関係します。具体的には,解雇の意思表示(もしくは退職強要)であったと判断される場合には,使用者としては,解雇予告通知・解雇予告手当の支給(労働基準法20条)が必要となり,さらに法令・判例による解雇規制の要件をクリアする必要があります。

 

 ①②のいずれに該当するかどうかは,退職勧奨がされた状況,過去の使用者の対応(発言の背景事情,他の労働者に対する同様の発言の有無,発言を受けて退職した労働者の有無等),発言後の事情等を考慮して判断されます。

 

 本件では,従業員の業務実績が芳しくなかったことが退職勧奨の理由とされています。成績の悪い従業員に辞めてもらう場合には,解雇という方法をとる場合も,退職勧奨という方法をとる場合も両方考えられるので,これだけでは①②のいずれにあたるかを判断することはできません。退職勧奨に際して,具体的にどのような発言をしたのか,その場に居合わせた人の人数・役職,他の従業員に同様の退職勧奨を行ったことがあるのか等が重要な要素になると思われるので,このような事実関係を調査しておくことが重要です。

 

 もっとも,具体的な事実関係によって,結論は変わってきます。なお,②と判断された場合については,解雇に関するコラムを参照してください。

 

※記事の内容は、掲載当時の法令・情報に基づいているため、最新法令・情報のご確認をお願いいたします。

 

 ◆その他「労働問題(使用者側)」に関する弁護士コラムは → こちら

 

 

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