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商標権にまつわる真正商品の並行輸入

Q. 海外ブランドメーカーからの輸入について,商標権侵害となることがあるか?  

 

  私の会社では,ある商標の付された商品を海外ブランドメーカー(A社)から輸入し,日本で販売しています。ところが,先日,同一商標の付された商品を販売している日本の会社(B社)から,「これらの商品の商標は当社が保有しているため,当社から購入していただきたい」との要望がなされました。当社での輸入・販売が商標侵害となる可能性はあるのでしょうか?

A. 商標権侵害となる場合がある。

 

 前提として,本件商標権を実際に保有しているのは誰かを調査する必要があります。以下では,海外の商標権はA社が,日本での商標権はB社が保有しているものと仮定してご回答します。
 

 まず,商標権者以外の人が,日本における商標権の指定商品と同一の商品につき,その登録商標と同一又は類似の商標を付したものを輸入する行為は,許諾を受けない限り,商標権を侵害することになるのが原則です(商標法2条3項,25条,37条)。


 しかし,「そのような商品の輸入であっても,①当該商標が外国における商標権者又は当該商標権者から使用許諾を受けた者により適法に付されたものであり,②当該外国における商標権者と我が国の商標権者とが同一であるか又は法律的若しくは経済的に同一人と同視し得るような関係があることにより,当該商標が我が国の登録商標と同一の出所を表示するものであって,③我が国の商標権者が直接的に又は間接的に当該商品の品質管理を行い得る立場にあることから,当該商品と我が国の商標権者が登録商標を付した商品とが当該登録商標の保証する品質において実質的に差異がないと評価される場合には,いわゆる真正商品の並行輸入として,商標権侵害としての実質的違法性を欠く」とされています(最高裁平成15年2月27日第一小法廷判決・民集57巻2号125頁参照)。


 本件において上記①ないし③の要件該当性を検討すると,A社が海外での商標権を有しているのであれば①の要件は満たすでしょう。しかし,A社とB社が親子会社や総販売代理店であるといった事情は窺われず,②の要件は満たさない可能性があります。また,商品の品質管理方法や品質自体から,③の要件も問題となる可能性があります。なお,類似の事件につき,大阪地裁平成16年11月30日判決は,外国権利者と内国権利者が法的に別法人であること,内国権利者が外国権利者とは独立して発展してきたことなどから,②及び③の要件を否定しました。
 

 このように本件では上記②及び③の要件を満たさず,御社はB社の商標権を侵害していると認められる可能性があります。そこで,誰が商標権を保有しているかなどについて精査し,十分な検討を行っておくことをお勧めします。

 

※記事の内容は、掲載当時の法令・情報に基づいているため、最新法令・情報のご確認をお願いいたします。

 

 ◆その他「知的財産」に関する弁護士コラムは → こちら

 

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