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給与ファクタリング

Q.給与ファクタリングについて

 私(X)は,生活費に困って金銭の借入先を探していたところ,Y社が給与債権の買い取りをしていることを知りました。そのため,私はY社のサイトから申込みを行い,今月分の給与のうち10万円を代金5万円で売却してしまいました。売却日から1ヶ月後に給料が入るので,その日にY社に10万円を支払うことになっているのですが,このような取引は有効なのでしょうか。




A. 貸金業法42条1項に反し,無効となる。

 本件では,X及びY社の取引について,貸金業法(及び出資法)の適用があるのか(債権の売買なのか,金銭の貸付けなのか)が問題となります。そして,本件と同様の事案について東京地裁令和2年3月24日判決は,「労働基準法24条1項の趣旨に徴すれば,労働者が賃金の支払を受ける前に賃金債権を他に譲渡した場合においても,その支払についてはなお同条が適用され,使用者は直接労働者に対し賃金を支払わなければならず,したがって,労働者の賃金債権の譲受人は自ら使用者に対してその支払を求めることは許されない(前掲最高裁昭和43年3月12日判決)。そうすると,原告のように,労働者である顧客から給与債権を買い取って金銭を交付した業者は,常に当該労働者を通じて譲渡に係る債権の回収を図るほかないことになる。このような給与ファクタリングを業として行う場合においては,業者から当該労働者に対する債権譲渡代金の交付だけでなく,当該労働者からの資金の回収が一体となって資金移転の仕組みが構築されているというべきである。」等と判断し,経済的には貸付による金銭の交付と返還の約束と同様の機能を有するものとして,貸金業法の「貸付け」に該当すると判断しました。


 貸金業法の適用がある場合,同法42条1項により,年109.5%を超える割合による利息の契約は無効となるところ,本件XとY社の取引については,利息が年109.5%を超えるため同法42条1項に違反することとなります。


 よって,XとY社の取引は無効となります。

※記事の内容は、作成当時の法令・判例等に基づいた内容です。最新法令・判例等のご確認をお願いいたします。



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