虐待の通報を受けた場合の対応方法


Q. 幼稚園に虐待の通報があった。幼稚園としてはどのような対応をとるべきか?

 私は幼稚園を経営しているのですが,先日,保護者の方から,特定の先生を名指しして「児童の頭をホウキで叩いたりする虐待が行なわれている。」との通報がありました。どのように対応すべきか教えてください。

A. 事実関係の調査を行い,その結果に応じた適切な処分等を行うべきである。

 虐待の通報を受けた場合,次のような段取りで対応すべきと考えます。

1.自宅待機

 まず,最初に行うべきことは虐待を行ったとされる先生を自宅待機にすることです。虐待の通報を受けているにも関わらず,勤務させ続けた場合,そのこと自体が社会的非難を受ける可能性がありますし,万が一虐待が続いた場合,幼稚園がより重い責任を負うことにもなりかねません。

2.事情聴取

 続いて行うべきは,保護者からの事情聴取です。事情聴取にあたっては,いつ,誰が,誰に対し,どのような言動をとったのかを具体的に確認していくことが重要です。また,保護者に対し,聴取内容を,虐待を行ったとされる先生や他の先生に開示してよいか確認する必要もあります。なお,虐待の通報は匿名でされる場合もあるところ,その場合,上記事情聴取は省略することになります。

 次に,幼稚園で同僚として勤務している他の先生や従業員等の事情聴取を行います。このときには,保護者から聴取した内容や通報内容を踏まえ,そのような言動があったか否か,その言動がなされた状況などについて,詳細に確認することになります。なお,事情聴取を受けたことやその内容について,口外しないよう伝えておくことも大切です。

 最後に,虐待を行ったとされる先生本人に対し事情聴取を行います。保護者から聴取した内容や通報内容,他の先生や従業員等の事情聴取結果を踏まえ,そのような言動をとったのが事実か,どのような状況であったのか,その先生としての言い分はどのようなものか等について,淡々と聴取することが重要です。この事情聴取は,弁明の機会を兼ねるものであるため,厳しく問い詰めることや謝罪を求めることなどは避けるべきでしょう。

3.懲戒処分

 事情聴取を終えた後は,証拠のある事実や虐待を行ったとされる先生が自ら認めている事実を基礎に,事実関係を認定した上で,懲戒処分の要否,必要だとしてその懲戒処分の程度を検討することになります。なお,懲戒処分においては,上記事実認定という技術的な作業が必要となるほか,就業規則の定めに従った処分を行う必要があるため,弁護士に相談されることをお勧めします。

※記事の内容は、作成当時の法令・判例等に基づいた内容です。最新法令・判例等のご確認をお願いいたします。

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