騒音を理由に賃貸借契約を解除できるか?


Q. 深夜に騒音を撒き散らす賃借人に対し、賃貸借契約を解除できるか?

 私が経営するアパートの賃借人Aさんから、同じく賃借人である隣人のBさんが深夜に喧嘩したりお酒を飲んで大騒ぎしたりして困っているので、Bさんを退去させてほしいと言われました。Bさんとの賃貸借契約を解除して退去してもらうことはできますか?

A. 受忍限度を超える騒音で信頼関係が破壊された場合は契約解除できる。

 騒音等の迷惑行為への対処は、家主にとって悩ましい問題です。騒音を理由に賃貸借契約を解除できるのかが問題になります。

 そもそも部屋を賃借している人には、契約又は目的物の性質によって定まった用法に従ってその部屋を使用する義務(用法尊守義務、民法616条・民法594条1項)が課されています。賃借人がこれに違反して家主との信頼関係が破壊されたと評価される場合には、家主は賃貸借契約を解除することができます(参考:横浜地裁平成元年10月27日判決など)。

 そこで、騒音が用法遵守義務違反と言えるかが問題になりますが、アパートなどの共同住宅で生活している場合、ある程度の生活騒音が出ることはやむを得ないと考えられています。そのため、社会生活条通常受忍すべき限度(受忍限度)を超えている場合に初めて、用法遵守義務に違反していると言えます。

 ただ、受忍限度を超えるような騒音を出す賃借人であっても、それだけで直ちに契約解除が認められる訳ではありません。家主としては、まずは注意をして改善を促す必要があります。その後、何度も注意しているのに改善されないようであれば、家主と賃借人との間の信頼関係は破壊されたといえることから、家主からの賃貸借契約の解除が認められる可能性が高くなります。

 賃貸借契約を解除して賃借人に退去を求めたとしても、賃借人が任意に退去しない場合は、裁判で判決を得て強制執行をする必要があります。その裁判では受忍限度を超える騒音を出していたことや、度重なる注意にも改善されなかったことを立証する必要があるため、そのような事態に備えて、騒音の状況を録音したり、騒音計で測定することや、注意をした際の書面等を証拠として残しておくことが大変重要になります。

※記事の内容は、掲載当時の法令・情報に基づいているため、最新法令・情報のご確認をお願いいたします。

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