株式の相続


Q. 株式の共同相続について教えてください。

私の父親は,株式会社のいわゆるオーナー社長で会社の100%の株式を所有していましたが,持病が悪化し,先日,亡くなってしまいました。  生前,父は,いずれは私に会社を継いでほしいということを言っていましたが,遺言書は残していませんでした。父の相続人は,母と姉と私の3人です。父が亡くなった今,父の株式はどうなるのでしょうか。

A. 株式は法定相続分に従い、共有状態(準共有)となる。  株式の所有者が死亡した場合,遺産分割協議が整うまでの間,当該所有者が所有していた株式のすべてについて,相続人間で法定相続分に応じた共有関係が生じることとなります。すなわち本件においては,相談者の母親が2分の1の割合で,姉及び相談者がそれぞれ4分の1の割合で共有することとなります。共有になるということは,相続人が法定相続分に従った株式数を各自所有するわけではないということです。(本件においては,母親が2分の1の株式数,姉及び相談者がそれぞれ4分の1の株式数を所有することになるわけではありません。)  株式が共有状態にある場合,共有者は,権利行使者を1人定めて会社に通知して権利行使をすることになります(会社法106条)。権利行使者の指定をしていない株式については,会社が,共有者が全員で共同して権利行使をすることを認めた場合やその他の形式で権利行使をすることを認めた場合でないかぎり,権利行使をすることができません。  また,判例においては,相続分に応じた持分の過半数で権利行使者を定めることができるとされていますが(最高裁平成9年1月28日判決),本件の場合,いずれの相続人についても単独では過半数を有していないため,3者の意見が食い違えば,権利行使者を決めることもできません。  本件においては,お父様である社長が生前,相談者に会社を継がせる意思を有していたとのことですので,その旨をお母様とお姉様に説明のうえ,遺産分割協議において,相談者が全ての株式,もしくは,少なくとも3分の2以上の株式を相続するようにしたほうがいいでしょう。株式が分散してしまうと,会社の重要な決議を行う場合に,単独では決することが出来ず,会社の円滑な経営に支障が生じてしまう可能性があります。

※記事の内容は、掲載当時の法令・情報に基づいているため、最新法令・情報のご確認をお願いいたします。

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