労働時間


Q. 労働基準法上の労働時間とは?

 弊社は,船舶等の製造・修理等の事業を営む会社です。弊社では,就業規則において1日の所定労働時間を8時間と定め,弊社の従業員は始業前に作業着・保護具の装着,資材の準備等を行うこととされています。  弊社としては,これら始業前の準備等は労働時間に含まれないと考えていますが,この度,従業員から,これらが労働時間にあたるとして割増賃金の請求をされました。割増賃金を支払う必要があるのでしょうか。

A. 使用者の指揮命令下に置かれたものと評価できるか否かによる。

 労働基準法(以下,「労基法」といいます。)は,使用者は労働者に休憩時間を除いて,1週40時間・1日8時間を超えて労働させてはならず(同法32条),これを超える労働をさせるときには割増賃金を支払わなければならない(同法37条1項)と定めています(労働者に時間外労働をさせるための要件については割愛します)。したがって,従業員の始業前の準備等が労基法上の労働時間に含まれ,労基法32条の定める法定労働時間を超える場合には,割増賃金を支払う必要があります。  ここで,労基法上の労働時間とは,判例によると「労働者が使用者の指揮命令下に置かれていると客観的に評価できる時間」と定義されています。例えば,ビル警備員に対して巡回監視業務の合間に認められている仮眠時間については,当該事案において仮眠室への滞在と警報等への対応が義務付けられていたことから,労基法上の労働時間と判断した判例があります。  具体的な事実関係次第ですが,ご質問のケースでも上記判例のように,従業員が始業前に準備等を行うことが義務付けられていたと認められる場合は,労働時間に含まれるものとして,割増賃金を支払わなければならない可能性があります。

※記事の内容は、掲載当時の法令・情報に基づいているため、最新法令・情報のご確認をお願いいたします。

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