弁護士コラム(労働問題・使用者側)
2019/12/02
Q.2019年5月に成立した,いわゆるパワハラ防止法への対応方法を知りたい。
先日,今年の5月に,いわゆるパワハラ防止法が成立したと聞きました。
中小企業である当社としては,どのような対応をしておけばよいのでしょうか。当社ではこれまでパワハラ問題が発生したことはないのですが,法律に従った適切な運営を行っていきたいと考えています。
A. 就業規則の改定や相談窓口の設置,ハラスメント申告があった場合に迅速・適切な対応ができる体制の構築などが必要となる。
2019年5月29日,「労働施策の総合的な推進...
2019/09/04
Q.パワハラ・セクハラの申告があった場合,会社はどのような対応をとるべきか。
先日,当社の従業員Aさんから「B課長に『サボるな,バカヤロウ』と怒鳴られ,頭をげんこつで叩かれました。パワハラだと思うので,対応してください。」という申告がありました。会社としては,どのような段取りで何を行えばよいのでしょうか。
なお,当社では過去にセクハラ申告があり,相談者と行為者とされる者の言い分が全く異なったことがあります。本件でも言い分が異なる可能性がありますが,その場合の対応方法も教えてください。
A. ①事...
2019/08/05
Q.パワハラにならないように部下を叱るにはどうすればいいか。
私は中堅企業で課長職を務めています。先日,新入社員が大きなミスを犯したため,所属している部の連絡ツールを使い,「二度とこのようなミスをしないように」という注意を行いました。ところが,その連絡ツールを見ることのできる上司の部長から,「こうした注意の方法はパワハラになりかねないから注意した方がいいぞ」とのアドバイスを受けました。
私のやり方に問題はあったのでしょうか。部下を叱る際にはどのようなことに注意すればいいのでしょうか。
A. 人格...
2019/06/28
1.はじめに
今回のシリーズコラムでは,企業に特に影響が大きい働き方改革関連法の改正点を解説するとともに,対応ポイントをご説明します。最終回(第3回)は,いわゆる同一労働同一賃金(雇用形態に関わらない公正な待遇の確保)についてです。
2.雇用形態に関わらない公正な待遇の確保
(1)改正内容
マスコミ等で大きく取り上げられているとおり,今回の改正では,正規労働者と非正規労働者の格差是正が図られました。主な改正内容は次のとおりです。
①均衡待遇の原則
まず,正規労働者と非正規労働者との間に不合理な待遇差...
2019/06/28
1.はじめに
今回のシリーズコラムでは,企業に特に影響が大きい働き方改革関連法の改正点を解説するとともに,対応ポイントをご説明します。第2回は年次有給休暇の義務取得,勤務間インターバル制度についてです。
2.年次有給休暇を取得させる義務の創設
(1)改正の内容
今回の改正では,年次有給休暇(以下,「年休」といいます)に関しても改正がなされました。改正労基法は,年休の日数が10日以上の労働者に対しては,その年休のうち5日については,原則として基準日から1年以内に労働者ごとに時季を定めて与えなければな...
2019/06/28
1.はじめに
2019年4月,「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律」(以下,「働き方改革関連法」といいます)の一部が施行されました。施行スケジュールは図1のとおりです。
図1 改正法の施行スケジュール
今回のシリーズコラムでは,企業に特に影響が大きい働き方改革関連法の改正点を解説するとともに,対応ポイントご説明します。第1回は残業時間の上限規制,月60時間を超える割増賃金率引上げについてです。本シリーズコラムは全3回でお送りします。
2.時間外労働・休日労働の上限規制
(1)改正...
2019/05/13
Q.勤務中に私物のスマホや社用パソコンでネットなどを見ている社員にどう対応すべきか。
当社では、この度新入社員を採用したのですが,この社員が勤務時間中に会社のパソコンを使用して,友人へメールを送信したり,ゲームをしたり,ネットを見たりしています。一度注意をしたところ,パソコンでゲームをすることはなくなったようですが,友人へのメールなどは続けているようです。
また,この社員は仕事中頻繁に私物のスマートフォンを触っており,業務と無関係なことを行っているのではないかとの疑念を抱いています。どのように...
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