契約書作成上の一般的な注意点

千瑞穂法律事務所へのアクセスマップ

 契約書のメリットとして,①契約内容の明確化,②契約内容の熟慮,③契約内容の証拠化という3つを挙げましたが,この中で最も大切なのは③契約内容の証拠化です。そのため,契約書を作成するためには,この③の目的を十分に達成できるよう注意する必要があります。

 契約書作成上の一般的な注意点について、以下の順に説明します。

 1.基本的な方針

 2.契約当事者

 3.内容の定め方

1. 基本的な方針

 

 具体的には,当事者の合意内容が明確に記載されていること,変造が防止されていることに注意しながら作成する必要があります。以下では,これらの点を達成するための一般的な注意点について,項目ごとにご説明します。

 

2. 契約当事者

 (1)争いになるケース

 契約を締結した後に取引相手とトラブルになってしまうケースの中には,「そもそもこの契約は自分が結んだものではない」などと争われる場合があります。このような事態にならないよう,契約当事者が誰であるかはしっかりと確認しておく必要があります。
 

 (2)相手方が自然人の場合

 相手方が自然人の場合,契約締結権限があるのは本人です。例えば,相手方に対して,金銭を請求したいと考えている場合,家族であるからという理由で相手方の妻や親に請求する方がいらっしゃいますが,これでは相手方に請求したことにはなりません(相手方に請求することで生じる,消滅時効の停止などの法律上の恩恵も受けることはできません)。そのため,本人確認資料を提供してもらう必要があります。

 本人確認資料のうち,最も適切なものは,印鑑登録証明書を提供してもらったうえ,実印で契約書に押印してもらうことです。なぜなら,「常識的に考えて実印は本人が保管し,他人が勝手に持ち出すことはない」という経験則があるため,契約書に押されている印鑑の印影と印鑑登録証明書の印影を対照して,実印で押印されていると分かれば,「本人が契約書に押印した」ということがいえるためです。

 

 日常生活の中では,運転免許証を本人確認資料とすることが多いと思います。しかし,運転免許証で本人確認した場合,相手方から「この押印は自分がしたものではない!名字だけの印鑑なんてハンコ屋に行けば誰でも買えるじゃないか!」などと争いになることがあります。ですので,契約書を作成するという場面では,免許証での本人確認にはリスクがあるのです。

 

 (3)相手方が法人の場合

 相手方が法人の場合,契約締結権限は法人の代表者にあります。この場合も,個人の場合と同様,会社の印鑑証明書を提供してもらい,実印で契約書に押印してもらう必要があります。

 もっとも,法人では,会社代表者が書名押印を行うのではなく,支店長などの担当者が行う場合があります。この場合は,当該担当者が会社の代理人として契約を締結することになるのですが,本当に担当者が契約締結権限を有しているのか確認する必要があります。

 代理人が契約締結権限を有している場合として,①本人(会社)から契約締結を委任されている場合,②法律上,契約を締結する権限などの,会社を代表する権限が認められている場合があります。

 ①の場合であれば,本当に本人から契約締結を委任されたのかを確認するため,代表者本人に確認したり,会社もしくは代表者名義の委任状を提供してもらう必要があるでしょう。②に該当する場合として,会社法上の支配人に該当する場合があります(会社法11条)。支配人であることは会社の登記簿に登記されているので,相手方会社の登記を取得して確認する必要があります。

 

3. 内容の定め方

 契約書が,証拠化のメリットを果たすためには,合意内容が明確であり,合意内容が適切なものである必要があります。
 

 (1)合意内容が明確であるとは

 契約書は大まかに分けて,①契約が問題なく履行される場合の権利義務,②問題が生じた時の対処,③その他の事項の3つに分かれます。
 

 売買契約を例にとってみると,①では,目的物,代金,支払方法,目的物の引渡時期,所有権の移転時期など,②では,瑕疵担保責任,危険負担,解除など,③では,裁判管轄などです。
 

 それぞれの事項ごとに定めておく必要がある内容は,契約の類型や取引の実情ごとに変わってきます。
 

 (2)合意内容が適切なものであるとは

 契約内容は,当事者間で自由に決めることができるのが原則(契約自由の原則)で,基本的には当事者間で決めた契約内容が法律に優先します。例えば,民法では,債務の弁済方法について,債務者が債権者に目的物などを持参するのが原則であると定められています(民法484条)。これに対して,当事者間で,「債権者が債務者に債務を取り立てる」ということを定めた場合,契約が民法の規定に優先します。
 

 もっとも,契約内容が強行法規や公序良俗に反する場合,契約は無効となります。

 強行法規とは,当事者間の合意によってもそれに反する事項を契約内容とすることはできないルールのことをいいます。例えば,土地上に建物を所有する目的で土地賃貸借契約を締結する場合,借地借家法では,契約期間が最短30年とされています(借地借家法3条)。これに対して,当事者間で契約期間を30年未満とする合意をしても無効となります。借地借家法上,借地人に不利な条項は無効となると規定されており(借地借家法9条),強行法規に違反することになるためです。

 

 公序良俗とは,公の秩序・善良の風俗をいい,これに反する契約は無効となります。

 このように,基本的には,合意内容に制限はありませんが,強行法規や公序良俗に反しないかという点には注意する必要があります。

 広島の経営者の方で契約書にお困りの方は,広島の弁護士法人千瑞穂法律事務所までお気軽にご相談下さい。メールでのお問合わせはこちら

 

契約書について、更に詳しい内容はこちら

> 契約書作成上の一般的な注意点

730-0017 広島市中区鉄砲町1-20
第3ウエノヤビル 7階

TEL 082-962-0286 FAX 082-962-0289

Copyright ©  2018    弁護士法人千瑞穂法律事務所   All Rights Reserved

お問合わせ

受付時間

​平日9:00-17:00

​メールでのお問合わせはこちら